塩は量より濃度が問題。スープを2倍に薄めて飲めば、胃粘膜への刺激を減らせる

食塩が、発生したがん細胞をふやす?

「食塩は胃がんの原因になる」。これは、かなり古くからいわれてきました。統計的には確かに、塩を多くとると胃がんの発生率が高まります。ただ、なぜそうなるのか、そのメカニズムは実は現在解明途中。食塩は「焦げ」のように、それ自体が遺伝子を傷つけて細胞をがん化させるのではなく、発生したがん細胞をふやす役割を果たしているのではないかと考えられています。

食塩制限は「濃度」が問題

胃がんと食塩の関係では、その濃度がたいへん重要になってきます。たとえば、塩辛いスープを「塩辛いから」と半分に薄め、2杯にして飲んだらどうでしょうか。高血圧予防の食塩制限としては、全体の塩分量が変わりませんから無意味です。しかし、これは胃がん予防の食塩制限としては意味があります。胃粘膜は、強い刺激を受けることで傷つくわけですから、一品一品を薄味にして、できるだけ刺激をやわらげることは重要なのです。

塩を控えるというと、どうしても量を少なくすることを考えます。ですから、減塩のコツとして、「全体は薄味にととのえ、食事のメリハリと楽しみのためにI品だけ塩けの強いものを加える」という指導もいわれます。しかし、これは胃がん予防にはむしろ逆効果。塩けの強い1品の刺激が、胃粘膜に強いダメージを与えてしまうからです。

塩漬けの食品も控える

ごはんにみそ汁、それに漬け物があれば何もいらないという人は少なくなってきています。それでも、典型的日本人タイプの嗜好を待った人の場合、日常の食塩摂取はかなり多くなっています。厚生労働者は、1日の食塩摂取量の目標を10g以下に設定していますが、現在の日本人の1日の平均食塩摂取量は13g。特に塩辛いものが好きな人では17~18gもとっているケースがあります。一方、長寿の人の塩分量は1日平均6g。塩辛いものが好きな人の実に1/3の量です。

胃がんとの因果関係は明確ではないものの、塩の制限が長寿の秘訣なのは確かでしょう。調理に使う塩だけでなく、たらこやすじこ、ハム、ソーセージ、漬け物といった塩蔵食品をとりすぎないようにすることもたいせつです。  

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